July 16, 2010

TBU!2010×Saidera Masteringモーニングセッション


TBU!2010×Saidera Masteringモーニングセッションに行ってきました。TBU!というのはTokyo Boot Up!の略称で、東京の音楽シーンを盛り上げて行こうというキャンペーンとのことです。今回私が参加したのはそのTBU!とSaidera Masteringの共催での勉強会です。初回ということもあり、自己紹介から始まってまずはマスタリングとは何か?ということの話がありました。マスタリングの定義はミュージシャンやエンジニアによって多少意見が分かれると思うのですが、基本的には音質の統一、楽曲間のつなぎ方の決定(秒数、フェードイン/フェードアウトなど)、楽曲同士のバランス、レベルやダイナミックレンジの調整との事です。

個人的に、マスタリングとミキシングの境界線をどこに引くのかという事に興味があるのですが、その辺もう少し今後突っ込んで聞いていけたらと思います。聴講に来ていたVictorスタジオのOB氏が「マスタリングはミキシングと違う人が作業するべきである。なぜならば違う人間の耳を通した方が全体として完成度があがるからだ」という旨の事をおっしゃっていたのですが、それは本当にそのとおりだと思いました。演奏者がミキシングもマスタリングもコンピューター上で「簡単に」できるようになった時代であり、とかく作業すべてを単独でこなしてしまいそうになるのですが、求めるモノを得るためには自分の引き際も含めた全体的なビジョンが必要になる気がします。

セッションでBob Katz "Mastering Audio"という本が紹介されていましたが、チーフエンジニアの森崎さんいわく「自分のバイブル」との事でした。その中で1985〜2005年の楽曲のレベルとダイナミックレンジの変化を波形で見せているページがあるのですが、その差には驚きます。その20年間でレベルはだいたい12dB上昇したとのデータもあるとの事です。
ここからは森崎さんの話ですが、マスタリング時のチェックとして、VUメータがきちんと振れている(いきっぱなしになっていない)事や、ラージモニタでの小音量再生で立体感が出ている事などが挙げられていました。
最後にはプール帰りのオノセイゲン氏も登場し、8本マイクで録音したサラウンドのライブ音源を会場の全員で聴きました。オノ氏いわく、ドラムの録音はマイクをたくさん立てずに、一本を上から狙えば十分との事で、意外でした。

セッション自体はあと3回ほど残っているので、マスタリングや音に関してさらに詳しい話を聴いてみたいと思います。

"第2回からは実際に参加者のお持ち込み音源でマスタリングを体験いただきます。" Saidera Mastering Blog
Tokyo BootUp!
Bob Katz"Mastering Audio"(Amazon)
Loudness war(wikipedia)
"マスタリングでできること、できないこと"

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