June 6, 2008
[Surround Review] マリア・アンド・マリア/セイゲン・オノ:サイデラ・レコードの「サラウンドの日体感視聴会」に行って来ました Part.2
2008年5月29日、サイデラ・レコードの体感視聴会に行ってきました。
サイデラスタジオに早く着きすぎてしまって、スタジオの前で傘さしながら(雨降ってたので...)不審者に思われたら困るなぁなんて思いながら、誰か出てくるのを待ってました。そしたら同じ建物の2階からどこかで見たことがある人が出てきて、一瞬「はて~?...うわっ」何とオノセイゲンさんでした。web上でしか見たことの無い人に実際に会うとどうしてもビックリしてしまいます。その日の夜にも同じような現象が。それは最後に書くとして。
あれやこれやで、地下にあるスタジオに案内して頂きました。
当日はラッキーなことで他の参加者がいなかったため、オノさんとスタッフの方1人に囲まれてコンテンツの説明をして頂けました。(とぼけた記憶によると。違っていたらすみません)2000年時にダイレクトレコーディングした音源を、2007年にDSD編集用の機材が揃ったところで改めてRe-editし直した念願の作品なのだそうです。1つの作品への愛が感じられます。素敵ですね。そのコンテンツとは先日のNishiuraさんの報告と同じく、SACD「マリア・アンド・マリア」。
失礼な話なのかもしれませんが、今回視聴会に行く前にコンテンツやスタジオの情報をほとんど得ずに行きました。色々調べてから行くのもいいんですが、メリットとして音自体を素直に聴くことが出来るので良い方法だと個人的に思っています。デメリットはあらかじめ練った質問が出来ないということでしょうか。だから後日調べてみたら、ジョージマッセンバーグさんのライナー抄訳などをweb上で見ることが出来たのでした。
サイデラスタジオの5.1ch用モニタ環境はEclipse TDシリーズで整えられていました。確かタイムドメイン方式の...実は自分も手作りのタイムドメインのスピーカを家で使ってるんですよぉ、スピーカー1個2000円で作りましたよぉ、なんて余計なこと言いませんでしたが。そんなことに時間を割くより自分が聞きたいことを質問したほうが良いに決まってるんだから。しかしレコーディング・マスタリングスタジオにあるスピーカーがタイムドメイン方式の物だなんてちょっと意外でした。でもオカシクないんですね、理論的に。僕は多くのスピーカーを知らないし、そんなにスピーカーのこと詳しくないですけど、"定番"ということに流されず、よく考えられていて、あるべきところにある、それはやはり作品が証明していたんです。
もちろんスピーカーがそれだから作品が素晴らしくなるわけではなく、ただの要因の1つに過ぎないですけど。
「マリアアンドマリア」。
素晴らしかった。
生楽器の音であることはそれはもう存分に認識できるけど、もはや楽器ではないとでも言えばいいんだろうか。あとリバーブ。すんげー響きでした。深ーい宇宙がありました。そう、宇宙でした。夢に出てくるような、きっと宇宙に浮かべばこんなんだろうなって思ってた空間がありました。うーん........良いんですよっ、とにかく。何だそりゃ。どうしようもないコメントだ。でもそうなんです、しょうがない。まだの人は聴いてみてほしいです。たとえ2chステレオの環境しかなくても素晴らしいはずです。そのくらいです。"新しい体験"が出来ると思います。
と、まぁ超個人的音響的な目線で音を見ていたので参考になるかどうかは疑問ですけど。そして褒めすぎて怪しむ人もいるかも知れませんが超個人的に"事実"です。あんな音が自分でも作れたらなぁなんて思います。というか独創性にもヤラれました。そしてその作品が存在していることに感謝しています。励みになります。オノセイゲンさんはじめスタッフのかた関係者のかた、ありがとうございました。
そしてその夜なんですが。
帰宅途中にあるJazzBarの前を必ず通っていてずっと気になっていたんです。なにせ、大通り沿いのビルの2階にJazzBarがあるんだから。更に窓が防音2重構造なんだから。1階の入り口を見たらJazzやChansonのSessionがスケジュールにびっしりと書かれていて「おー、本格的だぁ。僕が入れるスペースじゃなさそうだー」なんて思っていて。でも気になるしせっかくだから覗きたいなどといつも思っていたBarがあるんでした。ある時、そのお店をgoogleで検索してみたら、なんとー、サラウンドの大御所の名前がそこにあるじゃないですか。もーびっくりで。こんなに近所に、何てラッキーなんだ、と。こりゃ行くしかない。でも帰宅時間がいつも23時ぐらいになるから閉店していて、土日はそこはお休みだし、結局行けてなかったんです。ところがその夜、そのBarの前を通った時お店のスケジュールをなにやらいじっている人がいて、そのイジリかたから察するにこの人はそこのスタッフさんに違いないと判断して、
「すみません、ゴニョゴニョ...」
と特に何も考えずに勢いで声を掛けさせていただいたんです。そしたらその方の勘が鋭いのか、僕が変なオーラを出してたのか
「サラウンドとかそのへんに興味があるんですか?」
って...えぇー?どうしてそれがぁ!? えーまさにその通りなんですけど。
「今ちょうど親父、上に居ますから」
え?誰がいるんだぁ?って他に考えられるひとはいないじゃないか!大御所さんがいらっしゃるということなのかぁ?ってどうしてー?僕の頭の中が見えてるんですかあなたは?しかも親父って言いましたかぁ?ってことは...
「どうぞどうぞー♪」
ってな感じで階段をスタスタ登っていくので...
「ちょ、ちょっとすいません、ってことは息子さんでらっしゃるんですか?」
「えぇ、そうですよー♪」
何とも気さくな奇策な...
あー何だかコントロールが効かなくなってしまいながら2階へ着いてしまい、薄暗いBarのその先にその大御所様がいらっしゃいました。僕はものすごく舞い上がりながら「コレコレこーでこーなんですよ~。大御所様のwebの資料で勉強させて頂いてます。ありがとうございます。」とかあれこれ、久しぶりにドモリながら、あとになって思えば何とも恥ずかしい、笑いのネタにでもしていただきたい自己紹介をしてました。今度お目に掛かる時が恥ずかしくてしょうがないっす。忘れていてほしいです。しかしこんな奴でも覚えていていただけると嬉しいという矛盾が生じてしまい。
1日に2人もサラウンド界の大御所さまと話ができるなんてほんとラッキーだなぁと。このことで、僕にとっては"アイドル"みたいな存在にいつの間にかなっていたことに気づいたわけでした。でもそんなんじゃいかんでしょ。いつか同じ土俵に立っていたい(ずうずうしい!)。土俵に立つことがなくても、気になってもらえるような存在になりたい。そのぐらい夢中で居続けていることが僕の夢であり、目標であり、理想図です。
しかしweb上に居た人と実際に会うのは大変です。みなさんもお気をつけください。
By.{Aoki}@surround2011.org
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